ミニマリストブームや終活ブームにより、「年賀状じまい」を考える人も増えてきています。
年賀状じまいとは、従来の手紙やはがきによるやりとりから離れ、新しい形のコミュニケーションを構築するためのものです。
この記事では、年賀状じまいの文例やメリット、気を付けるポイントについて解説しています。
年賀状じまいについて気になる方の参考になれば幸いです。
「年賀状じまい」とは?
「年賀状じまい」とは、翌年以降の年賀状のやり取りを終える最後の年賀状のことです。
「終活」という言葉が一般的になり、年賀状のやりとりを考え直す人が出てきました。
そして、人によっては「年賀状じまい」を選択する人も増えてきたのです。
高齢者の年賀状じまいのことを、特に「終活年賀状」ということもあります。
最近では、終活世代ではない40~50代の人も、年賀状じまいを検討するケースが見られます。
さらに、20代~30代の若い世代でも、年賀状じまいが見られます。
これには、SNSの普及や、年賀はがきの価格高騰などが理由としてあげられます。
「年賀状じまい」年賀状を出さない人が増えている
年々、年賀状じまいをしたり、年賀状を出さない人の割合は増えています。
- 人間関係を整理したい
- 年賀状の習慣をやめたい
- ミニマリストの暮らしにあこがれる
などの理由から、年賀状じまいをする、年賀状を出さないという選択をするようです。
特に、20代~30代の若い世代では「誰にも年賀状を出さない人」の割合が多いようです。
年賀ハガキを出した人の割合は、30代では45.7%、40代では56.5%、50代では63.0%、60代では68.1%であった。
男女、年代、地域別、年賀状を出した人の割合(2020)
「年賀状じまい」のメリット
年賀状じまいにはいくつかのメリットがあります。
年賀状じまいのメリット
- 時間と手間と費用の節約
- ストレスが無くなる
- 人間関係の断捨離ができる
- より深いコミュニケーションが取れる
時間と手間と費用の節約
年賀状の作成や宛名書き、郵送などは時間と手間と費用がかかります。
年賀状じまいをすることで、これらの作業を手放すことができます。
空いた時間を自分の好きなことに使うことができます。
ストレスが無くなる
年末年始は忙しい時期です。
ただでさえ、忙しいのに、年賀状作りに追われてストレスになる場合があります。
年賀状じまいをすることで、このようなストレスを無くすことができます。
また、もらった年賀状に返事をしなければいけないというストレスからも解放されます。
人間関係の断捨離ができる
普段まったく連絡をとらない知人や親戚など、義理で年賀状を送りあっていた関係を整理することができます。
自分が本当に大切にしたい人との人間関係を見つめなおすことができます。
より深いコミュニケーションが取れる
年賀状じまいをすることで、手間のかかる義理の人間関係が減ります。
その分、より大切な人たちとのコミュニケーションを取る機会が生まれます。
年賀状をやめた分、SNSなどを活用し、これまで以上に大切な関係を気づくことも可能です。
これまでの人間関係をやめるようなデメリットを感じさせる年賀状じまいですが、実は、より大切な人とのコミュニケーションを深めることもあります。
限られた人生だからこそ、自分にとって大切なものに時間や手間をかけたいものですね。
30代で「年賀状じまい」した理由
わたし自身、30代のときに年賀状じまいをしました。
以降、年賀状が来ても出さないようになりました。
現在は、誰とも年賀状のやり取りをしていません。
わたしが30代で年賀状じまいをした理由は、年賀状を出すことも、もらった年賀状の整理、収納をすることも大変だと思ったからです。
もらい続ける年賀状をただただ捨てるというのも心苦しく、最初から手元に来ないようにしたいと思うようになりました。
当時まだ30代でしたが「終活」を意識し始め、自分も少しずつ身の回りを片づけたいと思っていたこともあります。
仕事関係で年賀状のやり取りをしている人がいなかったので、わりと簡単に年賀状をやめることができました。
「年賀状じまい」はいつ出すのか?
いざ、年賀状じまいをしようと思っても、いったいいつ「年賀状じまい」を出すのか気になりますよね。
相手に失礼にならないように、関係は良好のまま、年賀状じまいをしたいものです。
メールやSNSで年賀状じまいを出す場合は12月はじめまでに
「今後、年賀状を出すことをやめる」ということをメールやSNSを通じて相手に伝えるには、12月はじめまでに出すようにしましょう。
それ以上遅くなると、相手が年賀状を用意している場合があります。
相手が年賀状を用意した後に、年賀状じまいを出しては失礼に当たりますよね。
そのため、11月~12月の初め、相手が年賀状の用意を始める前に出すようにしましょう。
だいたい、喪中はがきと同じ時期に出すようにすれば問題ありません。
最後の年賀状として「年賀状じまい」を出す
事前に年賀状じまいを出すのではなく、最後の年賀状として「年賀状じまい」を出すというのもおすすめです。
「今後、年賀状のやり取りをやめさせてもらいます。」ということを書いておくようにします。
ただし、一方的な物言いは、相手に不快な思いをさせてしまいます。
文章には気を付けて書くようにしましょう。
年賀状じまいの文例を以下に紹介していますので参考までにどうぞ。
「年賀状じまい」の文例で気を付けること
「年賀状じまい」の文例で気を付けることがあります。
こちらの都合で年賀状じまいするのですから、相手に不快な思いはさせないようにすることが大切です。
以下のポイントに気を付けるようにしましょう。
「年賀状じまい」の文例で気を付ける3つのポイント
- 全ての人に対して年賀状をやめるということ
- 年賀状をやめても、付き合いを、やめたい訳ではないこと
- 今後はメールやSNSで挨拶をしたいこと
1,全ての人に対して年賀状をやめるということ
年賀状じまいする相手に「みんなに対してやめる宣言をしているのだ」ということを理解してもらうことが重要です。
「自分に対してだけ年賀状をやめたいと言っているわけではない」と感じてもらう必要があります。
相手に「自分にだけ言ってるのではないか?」と思われたら、今後の人間関係にヒビが入ってしまいかねません。
文面には、全員に対して年賀状じまいをしていることがわかるような言葉を入れましょう。
2,年賀状をやめても、付き合いを、やめたい訳ではないこと
「年賀状じまいと同時に付き合いもなくなる」というのは悲しいものです。
年賀状じまいの文面には、今後も変わらず付き合いたいという内容の言葉を入れるようにしましょう。
3,今後はメールやSNSで挨拶をしたいこと
はがきの年賀状をやめたとしても、年賀の挨拶はしたいこと。
また、その手段として、メールやSNSを通じて行いたいことを伝えることも大切です。
これは、事前にメールやSNSで挨拶することを伝えておけば相手に対して失礼にあたらないというメリットがあります。
また、相手にとっても、今後は年賀状を出す必要がなく、メールやSNSで挨拶すればいいと思わせてくれます。
「年賀状じまい」の文例(親しい相手向け)
「年賀状じまい」の文例をいくつか紹介します。
親しい方や知人に向けて送る「年賀状じまい」の文例です。
親しい相手向けの文例
あけましておめでとうございます。
昨年はお世話になりました。今年も変わらぬお付き合いをよろしくお願いします。
さて、誠に勝手ながら、今年をもちまして、皆様との年賀状のやりとりを控えさせていただくことにしました。今後は、SNSを通じてより交流を深めていければと思っております。
よろしくお願いいたします。素敵な新年をお迎えくださいませ。
上記の文例は、主に20代~30代、40代の方におすすめの文例です。
友人や知人、親戚等に向いているかと思います。
50代以降の方は、もう少しかしこまった文面の方が好まれるかと思いますので、自分なりにアレンジしていただければと思います。
30代主婦が年賀状じまいしたときのこと
30代主婦のわたしが、年賀状じまいをしたときは、ごくごく簡単なものでした。
年賀状じまいを送った相手は、友人たちです。
わたしは、ある年から、年賀状を自分からは出さないようにしました。
しかし、届いた年賀状については返事を出していました。
出してくれた人の気持ちを考えると無下にはできなかったのです。
しかし、やはり、年賀状を出す手間を考えると、年賀状で返事を出すことはやめました。
来た年賀状については年賀状で返事を出さず、LINEでメッセージを送るようにしました。
もちろん、年賀状のお礼をしつつ、今後は年賀状を出さないことを伝えました。
わたしは、年賀状じまいをLINEでするという簡易的な方法を取ったのです。
人によっては失礼になるので控えた方がいいかと思います。
今では、友人も年賀状をやめたのかLINEで新年の挨拶が届きます。
正直、もらった年賀状を処分することも苦痛だったので、年賀状が無くなってよかったと思っています。
「年賀状じまい」をしない方がいい場合
昨今のミニマリストブーム、終活ブームで、年賀状じまいも広く知れ渡っていることと思います。
しかしながら、なんでもかんでもやめればいいとは思いません。
個人的には「年賀状じまい」を自分からする場合は、親しい相手に向けてのものだと思っています。
もしくは、自分から年賀状じまいを伝えても失礼にならない相手に限ると思っています。
仕事上の付き合いの相手に対しては、単純に年賀状じまいをすればいいとは思いません。
特に、仕事上の付き合いのある方や目上の方に対しては、慎重にならなければなりません。
まだまだ、形式を重んじる方も多くいらっしゃいます。
個人的には、相手から年賀状じまいを言われるまでは、付き合った方が無難だと思います。
年賀状じまいは、相手との関係性をよく考えて行う必要があるものだと思います。
年賀状じまいのメリットや文例・注意点まとめ
年賀状じまいは、人間関係を見つめ直す機会でもあり、さまざまなメリットもあります。
しかし、気を付けなければならないのは、相手の気持ちや立場を理解し、十分な説明や感謝の気持ちを伝えることです。
無理に年賀状じまいをするのではなく、お互いにとって心地よいコミュニケーションを築くことが大切です。