シバトラを読みました。
「シバトラ」は、『週刊少年マガジン』にて、2007年から2009年まで連載されていた漫画です。
『サイコメトラーEIJI』や『クニミツの政』などを手がけた、原作・安童夕馬先生、作画・朝基まさし先生による作品です。
2008年7月には実写ドラマ化された人気作品でもあります。
少年係の刑事を熱望していた柴田竹虎(しばたたけとら)。
願いが叶い刑事として奔走する日々。
悪に手を染めてしまった少年・少女たちを日の当たる場所に戻そうと力を尽くすが────・・・!?
シバトラ を読んだ感想
シバトラは漫画として単純に楽しめる作品です。
サイコメトラーEIJIもクニミツの政もとてもおもしろい漫画でした。
シバトラはそれに劣らず非常によい漫画でした。
そして、親の立場から読むと非常に考えさせられる作品でもありました。
少年・少女の犯罪に正面から立ち向かい、彼らの更生を望む主人公の竹虎。
竹虎が真摯に少年らに向き合い信頼を得ていく姿は、読んでいて何ともいえません。
すべての少年犯罪がそうだとは言えませんが、やはり罪を犯す子供たち。
悪に手を染める子供たちは、壮絶な人生を送っている子供たちでした。
そんな環境で育ったら、犯罪に手を染めてしまうのもわかる気がするのです。
だからといって、それが許されることではありません。
竹虎も犯した罪に責任は持つよう指導します。
ですが、少年たち自身を罪人とはみなしません。
彼らをとことんまで信じ、人として真っ直ぐと向き合うのです。
そんな竹虎の態度に固く閉ざされた少年たちの心もほぐれていきます。
シバトラを読んで感じた子育ての難しさ
子育ては難しいです。
良かれと思ってやっていることが子供にとっては辛いことだったり、よくない出来事を招く元になったりします。
何が正しいのか模索しながらの日々です。
シバトラを読みながら、我が子もこんなことをするようになったらどうしよう!?
なんて不安がよぎることもありました。
子供自身はそれほど悪いコトだと思っていなかったり、怖いことだと思っていなかったりすることがあります。
それが本当はとても恐ろしいことだったり良くないことだと教えるのはどうしていったらいいのだろうと。
道を踏み外してしまわないかと心配になります。
そこまでわたしが心配するのは、やはり自分自身が少し道を逸れてしまったことがあったからかもしれません。
今のところはいい子に育っていると思っています。
だけど、先はわからない。
いい子がいつ崩壊するかもしれません。
たとえ、大きなトラブルはなくとも、子供が何かに苦しむことがあるかもしれない。
そんなとき親としてどのように声をかけたらいいのか?
どう対応をしたらいいのか?
わからないことばかりです。
シバトラの名シーン名セリフ!ネタバレしちゃいます!
シバトラの中のセリフ・シーンで印象的だったものがあります。
それは、振り込め詐欺団の首謀者である少年(末次)が自ら出頭してきたときのことです。
竹虎たちはいつもの場所・いつものメンバーで集っていました。
少年刑務所にいた末次のことを話していました。
「少年院上がりでも世間の目は厳しいのに、少年刑務所となればもっと厳しいだろうな。」
せっかく真面目にやろうとしても、仕事はロクにないとなれば、再び落ちていくしかないだろう。
そんな小次郎の言葉に裕二が反論した。
「そんなの甘い考えだよ」
「人間その気になりゃやり直せないことなんてないんだよ」
その言葉に今度は美月が反論し、さらに続けた。
「結局あたしは出会いなんだと思うな」
「人が立ち直るためには、そのきっかけになるような出会いが必要なんじゃない?」
この言葉がシバトラのすべてを物語っていました。
少年漫画として十分楽しめるストーリーながら、その奥に込められた深いメッセージ。
竹虎のようにそこまで他人に関わらない世の中だけど、どこかでそれを望んでる。
だから、シバトラを読むと時に憤りを感じたり涙を流さずにいられなくなるのでしょう。
クニミツの政を読んだ時も、主人公の国光にいたく感動しました。
いまどきこんな人物はなかなかいません。
だけど、だからこそそんな国光にみんな惹かれていく。
本当は一番望んでいるものを持っていて、欲しているものを与えてくれる。
竹虎も国光も一見まったく異なるような人物ですが、その心根にあるものは同じです。
うまく言葉にまとまりませんが、まだ読んだことがない人はぜひ読んでみて欲しいです。
きっと涙が止まらなくなるシーンがありますよ。
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